夏のインターン真っ盛り、そんな今こそ考えたい「就活は一斉」が象徴する日本型雇用の"大きすぎる弊害"

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インターンのイメージ写真
本格化している2027年卒の学生インターン。だが、このような就活の「一斉スケジュール」が日本経済停滞の一因となっている(写真:Graphs/PIXTA)
統一的スケジュールの就職活動は日本独特のものだが、その背後には日本特有の雇用体系がある。ここでは「学力」より「学歴」が重視される。しかし、世界の急速な進歩に対応するため、この仕組みからの脱却が求められている――。野口悠紀雄氏による連載第153回。

一斉スケジュールの就職活動は日本独自

大学生の就職戦線では、2027年春に卒業予定の学生を対象とした、夏のインターンシップ(就業体験)がすでに本格化しているという。

日本の学生の就職活動は、統一的なスケジュールで一斉に行われる。大学生の場合についていえば、就職活動は3年生の3月頃から始まる。6月からインターンシップや企業説明会が始まり、11月には大学による就職ガイダンスが行われる。

そして、4年生の3〜4月から本格的な選考が開始され、企業エントリーや説明会が始まる。その後、6月頃から選考面接や内々定が出始め、夏頃までに内々定を得る学生が多い。こうした仕組みは日本独自のものだ。

アメリカの仕組みは日本と対照的だ。就職活動は一斉に行われるわけではなく、個人ごとにバラバラに、しかも1年を通じて行われる。そして、企業側は欠員に応じて採用を行う。

世界的に見れば、アメリカ型が普通であって、日本型は特殊だ。日本でこのように独自な仕組みの採用が行われるのは、雇用の仕組みが世界的に見て独特のものだからである。それは、大学卒業時に就職した企業で定年退職に至るまで仕事を続けることが前提にされていることだ。

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