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株価暴騰キオクシア「AI銘柄」ニューカマーの狂乱→動画生成AIの登場で現れた"若い相場"の賞味期限、東芝は利益確定売りで持ち株比率低下

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キオクシアの北上工場(岩手県)では9月末に第2製造棟が稼働したばかり(記者撮影)

9月以降に最高値を連日更新し、一時は5万2000円の大台も突破した日経平均株価。株式市場は空前のAIバブルに沸いている。

この間の牽引役は、ソフトバンクグループやアドバンテスト、東京エレクトロンといった限られたAI銘柄だった。

だが足元の株価上昇率を見てみると、ひときわ存在感を放つ「AI銘柄」がある。フラッシュメモリー大手のキオクシアホールディングスだ。

同社の株価は4月に1510円の年初来安値をつけたが、9月末以降に急騰。2024年12月の上場時点と比べると、足元では7倍を上回る水準に上昇した。主要銘柄と比べても、この間の株価上昇率は群を抜く。11月6日の終値は1万1500円と上場来高値となり、時価総額も6兆円超まで膨らんだ。

これまでのAI相場は、エヌビディアが手がけるGPUや、付随して使われる超高性能メモリー「HBM」関連銘柄が牽引し、記録媒体として使われるフラッシュメモリーは蚊帳の外だった。だがキオクシア株急騰が映し出すのは、AIバブルがフラッシュメモリー分野にも本格的に波及し始めた構図だ。

上場時の視線は冷ややかだった

キオクシアはNAND型フラッシュメモリーの世界大手で、世界シェアの2〜3割を握る。17年、不正会計問題などで経営危機に陥った東芝からメモリー事業が切り出されて誕生。24年12月、4年越しの悲願だった東証プライム市場への上場を果たした。

上場当時、すでにAI関連株が脚光を浴びていたことから、キオクシアも「AIがPCやスマホなど個々人の環境で本格活用される時代になれば、メモリー需要は一段と拡大する」と、“AI銘柄”であることを積極的にアピールしてきた。

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