キオクシア公募割れ上場が示唆する"不安と期待" サムスン株価より割安、AIブームに乗れるか
東証プライム市場に上場した半導体メモリー大手のキオクシア。メモリ市況の先行きに不透明感が漂う一方、AI需要の高まりに期待する機関投資家も。ウエスタンデジタルやSKハイニックスとの業界再編もささやかれる中、次の一手に注目が集まっている。
4年越しの、悲願の上場だ。
NAND型フラッシュメモリーで世界3位の半導体メーカー・キオクシアホールディングスは12月18日、東京証券取引所のプライム市場に上場した。
上場直後につけた初値は1440円と、売り出し価格1455円を下回って取引がスタート。終値は1601円で時価総額は8630億円となり、10月に上場した東京メトロの1兆円超に次ぐ大型IPOとなった。
同社の設立は2017年。不正会計問題などで経営危機に陥った東芝から、虎の子だったメモリー事業を分社化して発足した。アメリカの投資ファンド・ベインキャピタルを中心に韓国の競合メモリーメーカー・SKハイニックスも出資する特別目的会社(SPC)が56%を保有。東芝も40%を保有してきた。
4年で時価総額は半分に
「事業環境が目まぐるしく変化する中で上場できたことは大変嬉しい。身が引きしまる思いだ」
12月18日の上場会見で、キオクシアの早坂伸夫社長は感慨深く語った。同社は2020年に上場承認を受けたものの、土壇場で上場を取りやめた経緯がある。当時は想定時価総額2兆円以上を計画していたが、十分に買い手がつかず、ベインを中心とした株主がより高値での売り出しを模索したからだ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら