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〈今は割安〉広島電鉄「上場株式」としての実力は?底力を示して「地方再興のモデル株」に化ける可能性

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広島電鉄
広島電鉄は1949年に広島証券取引所に株式上場。2000年2月末をもって広島証券取引所が東京証券取引所に吸収合併される際、東証へと移った(撮影:尾形文繁)

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日本維新の会が連立政権に加わったことで、地方主要都市の再活性化を担う電鉄会社が株式市場で注目を集めている。

維新の会が地盤とする大阪では、IR(統合型リゾート)や都市再開発の加速に対する期待から、阪急阪神ホールディングスや近鉄グループホールディングス、南海電気鉄道などの株価が新政権発足前の10月中旬にそろって上昇した。

足元では調整が入っているようだが、その中でも南海電鉄の株価は上昇基調を維持している。10月27日の場中には2907円をつけ、年初来高値を更新。11月5日時点の終値は4月1日時点から15%上昇している。

関西私鉄3社の株価推移

一方、「中国地方の雄」で東証スタンダード市場に上場している広島電鉄の株価は「割安」な水準にある。

PBR0.44倍の割安銘柄

11月5日時点の株価は608円。2026年3月期の純利益予想から算出した予想PER(株価収益率)は13.72倍だが、PBR(株価純資産倍率)は0.44倍だ。地方電鉄のライバル銘柄として比較されることの多い山陽電気鉄道と神戸電鉄のPBRは0.75倍あり、広島電鉄の低さが際立つ。

広島電鉄の時価総額は185億円。約427億円ある純資産の半分以下の水準にすぎない。不動産などの含み資産を持つにもかかわらず、株式市場からは十分な評価を得られずに放置されているといえる。

たしかに近年の業績は賃貸や販売などを行っている不動産業を除くと苦しい。ただ、足元は改善の兆しが出てきた。

2026年3月期第1四半期(4~6月)の決算は運輸業(路面電車・バス)と流通業の収益増が牽引し、前年同期に赤字だった経常損益が黒字に浮上した。上期計画をすでに上回る進捗を見せている。

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