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〈今は割安〉広島電鉄「上場株式」としての実力は?底力を示して「地方再興のモデル株」に化ける可能性

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また関西私鉄とは一線を画す独自の成長材料を広島電鉄は抱えている。

広島電鉄は今年8月3日、「駅前大橋ルート」の新線を開業すると同時に、メインターミナルである広島駅停留場(広島駅)を、地平から新しい広島駅ビルの2階へ移転させた。

長年の懸案だった広島駅前開発プロジェクトを広島市やJR西日本とともに成功させ、「地方都市の地盤沈下を防ぐモデル企業」として、全国の耳目を集める(詳細はこちら)。近年低迷している広島電鉄の株価も、将来的な収益貢献への期待から7月末にかけて上昇し、年初来高値となる672円をつけた。

広島電鉄のルーツは1912年の開業にさかのぼる。地域住民から「市電」「ろめん」などと呼ばれ親しまれてきた路面電車は、川に挟まれたデルタ(三角州)地域の中心街を囲むように運行し、市民の足として定着している。

45年8月6日の原爆による惨禍を受けた後、わずか3日後には運行を再開し、市民を勇気づけたエピソードは有名だ。まさに「広島のシンボル」(鉄道関係者)と言える。

ユニークな事業構造と先進的な社風

広島電鉄の企業力を理解するには、そのユニークな事業構造と先進的な社風を押さえる必要がある。

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