高福祉目当てのアラブ系移民まで子どもを産まなくなった! "少子化対策の優等生"フランスが人口減に転じそうな深刻事情の真実

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かつては少子化対策優等国と呼ばれたフランス。しかし、自然人口増減バランスがマイナスになる可能性が出てきた。何が起きているのか(写真:Masson/PIXTA)

女性が一生の間に産む子どもの数の平均である合計特殊出生率が欧州で最も高いことで知られてきたフランス。だが、そんな少子化対策優等国に異変が起きている。

フランスの国立統計経済研究所(INSEE)は7月、2025年はついにの出生者数に関して、戦後初めて死亡者数を下回り、自然人口増減バランスがマイナスになる可能性があると推定した。同研究所は予想よりマイナスに転じるのが早くなったと分析した。

同国の合計特殊出生率は2010年にピークとなる2.03人に達してから、しばらくは高止まりしたが、その後は減少に転じ、2024年には1.62まで低下。過去100年余りで最低水準に落ち込んだ。

フランスが少子化対策優等国と呼ばれたワケ

フランスの出生率を押し上げていた要因として、家族手当から教育費の無償化まで、行政によるきめ細かい少子化政策の実施が挙げられる。

同国では1982年に家族全国会議(現・家族児童高齢者協議会)が設置され、首相以下、関連省庁の大臣、自治体議会の議長、労使団体、家族協会全国連合、専門家などで構成されるメンバーが、現状の正確な把握に努め、問題点の洗い出しや施行された政策の進捗状況、課題の抽出、継続的改善を行ってきた。

結果として、政治家の人気取りと官僚の一方的な政策策定による予算のばらまきは回避されてきた。実質的な成果を上げることが重視され、非常にきめの細かな家族政策が実施されてきたことは大いに評価すべき点だ。

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