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習近平の権力維持へ対外強硬路線をとり、対日ハラスメントを続ける中国。地域秩序を打ち破ろうとする姿勢に日本は持久戦で備えよ

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APECのときに首脳会談に応じてやった高市首相にメンツを潰されたと習近平は思っている (写真:共同)

勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない──。すべては駐大阪中国総領事、薛剣のこのⅩ(旧ツイッター)投稿から始まった。2025年11月8日だ。

薛は高市首相が国会で、状況により台湾有事は日本の存立危機事態に該当すると答弁したことに反発。だが日本が集団的自衛権行使の要件として同概念を定めたのは10年前で、発言が政府の従来見解を大きく超えたわけではない。

日本で薛批判が高まる中、中国は12日以降、逆上したように反高市キャンペーンを大展開。水産物の輸入停止、日中間の航空便・船便の停止、日本人歌手の中国公演妨害などの対日ハラスメントを展開した。だが自国の安全保障に関わる問題で首相が答弁を撤回するはずもなく、状況は膠着した。

見慣れた中国の激情だが、初めての動きも

中国は10年ごろから数年おきにアメリカの同盟国などに激情型の経済制裁を実施している。もはや見慣れた光景だ。だが今回、初めての点もあった。(1)中国国連代表の国連総長への書簡送付、(2)中国外交官らによる1951年のサンフランシスコ(SF)講和条約の無効性の表明、そして(3)軍事的威圧の併用だ。12月6日、中国軍は琉球列島の東側に展開して自衛隊機にレーダー照射を行い、並行して東アジアの広範な海域で航空機、海警船、民兵船を大規模動員した。

なぜSF条約なのか。習近平は25年9月3日、華々しい軍事パレードで抗日戦争勝利80周年を大規模に祝った。11月24日にはトランプ大統領に電話し、「第2次世界大戦の勝利をわれわれが共に守ることが重要」と述べた。同月21日には在日中国大使館がXに、国連憲章は安全保障理事会常任理事国に、理事会の承認なしに日独伊3カ国を軍事攻撃する許可を与えた(旧敵国条項)と投稿した。

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