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中国発のAIエージェントが低コストを武器に新興国など世界で急拡大。中国当局への情報漏洩や中国のナラティブ拡大に懸念

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DeepSeekなど低コストを武器に中国AIが広がっている (写真:Getty Images)

目標に対して自律的に判断し動作する「AIエージェント」が普及する中、中国AIの浸透が進む。最大の理由は圧倒的な低コスト。途上国や若年層を中心にユーザーを増やしている。一方で、アルゴリズムの透明性や国家情報法による情報統制、世論操作の可能性など、懸念は多い。

中国AI急伸長の端緒は、DeepSeek(ディープシーク、「深度求索」)によるオープンソース型LLM(大規模言語モデル)の開発だ。開発コストはチャットGPTの10分の1以下。これを機にAIの価格競争が激化し、AIエージェント開発も加速した。

AIエージェントは、ユーザーが目的を設定すれば、AIが最適な手段を自ら選択して仕事を遂行する技術。LLMを頭脳とすれば、手段としての手足に相当する。

AIエージェントは中国が市場を牽引

市場を牽引するのは中国勢だ。ディープシークはそれ自体に高度なエージェント機能を備える。中国国外のDAU(1日当たりユーザー数)は25年2月時点で3685万人に達し、4割以上が18〜24歳の若年層とされる。世界の若者が中国AIを便利な日常の道具として受け入れ始めている。

多機能の「AI搭載型アシスタント」として急成長するのがTikTokを運営するバイトダンス(「字節跳動」)が開発した「Dola(ドーラ)」だ。中国国内版の「豆包」を国外向けにアレンジしたもので、TikTokの強い影響力を背景に、メキシコやインドネシア、フィリピンなどを中心にトップ級のシェアを得ている。

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