
中国のインターネット検索最大手の百度(バイドゥ)が、「AI(人工知能)エージェント」を活用した法人向けクラウド事業の拡大に力を入れている。
AIエージェントは、ユーザーの課題解決を支援するため、AIが複雑なタスクを自律的に実行するソフトウェアのことだ。百度のクラウド事業部門である「百度智能雲(バイドゥAIクラウド)」は6月6日、エネルギー、交通、自動車、医療、環境保護などの業務分野別にカスタマイズしたAIエージェント群を発表した。
「われわれのAI関連プロダクトは、すでに中央企業(訳注:中国の中央政府直轄の大手国有企業)の65%で採用されている。その中には送電大手の国家電網や銀行大手の招商銀行などが含まれ、百度が自社開発したAI半導体『崑崙芯P800』を大規模に活用している」
百度智能雲の総裁(社長に相当)を務める沈抖氏は同日開催したイベントでそう述べ、AIエージェントをテコにした事業のさらなる成長に自信を示した。
自社開発のAI半導体を投入
2025年2月、百度は1万個のP800を組み込んだコンピューター・クラスターを稼働させたと発表。4月にはその規模を3倍に拡大した。財新の取材によれば、このクラスターは中国内陸部の寧夏回族自治区に設置され、百度が開発した大規模言語モデルの機械学習の一部をすでに担っている。
今回発表したAIエージェントは、対象分野の業務にどのような変革をもたらすのか。例えば電力分野では、百度は国家電網と協業し、同社の業務用アプリにAIエージェントを組み込んだ。
ユーザーがアプリを通じて要求を出すと、AIエージェントがその意図を認識し、専門分野に特化したAIモデルやさまざまなツールを駆使して最適な送電計画を自動的に生成する仕組みだ。
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