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中国による宣伝戦の強化にのぞく戦略と内憂 習近平は「中国のよい話を語れ」と大号令

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中国がアメリカに求めるのは緊張緩和ではなく、中国的な世界観の受け入れだ。

ブリンケン米国務長官の訪中は米中緊張緩和の動きとはいえない。4月26日の習近平主席との会談(写真:ロイター/アフロ)

中国共産党の活動にとって、宣伝戦は一丁目一番地だ。1921年に結党した彼らは、何もないところから「革命」実現を目指した。そのため内外情勢を独自に再解釈し、「世界は矛盾だらけだが、自分たちは歴史の正しい側に立つ正義の味方だ」という言説を作った。さらにそれを広めて人々を「覚醒」させ、敵に対抗するための統一戦線へと動員した。

この方法論は今も健在だ。むしろ近年、強化されている。最近、中国発の報道は、世界支配に固執する西側諸国のせいで世が乱れ、日米などの国内では諸問題が噴出していると強調する。

その矛盾を覆い隠すため、中国が標的にされ悪く言われるが、実は中国だけが大国として唯一、品格を保ち、人類運命共同体の構築のため奮闘している──というのが、全体のメッセージだ。まるでバラバラの砂鉄が磁力で同じ方向を向くように、中国発の報道の論調は同じだ。

宣伝戦の中心にいる習近平

この強力な磁力を発揮するのが、総書記の習近平だ。彼は党内に、「中国のよい話を語れ」と指示してきた。また「メディア統合発展」を唱え、新旧メディアの統合と、全党員挙げての宣伝工作の展開を命じた。中国はすでに、この言説をさまざまな言語で語っている。中国を中心とする国際的な統一戦線の結成が図られている。

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