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横暴なトランプに対し、「礼節」で逆転図る中国 中国は再び「韜光養晦」の方針が似合う状態

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世界へ横暴に振る舞う第2次トランプ政権の自滅が中国にとってのチャンスだ。

かつての指導者・鄧小平が掲げたとされる対外政策がこれほどふさわしいタイミングもそうない (写真:Lam Yik Fei/The New York Times)

米大統領就任式の直前の1月17日、トランプと習近平・中国国家主席の電話会談が行われた。中国側の報道によれば習は、米中両国の違いを乗り越えるために互いの核心利益や重要な関心事項の尊重が大事だと述べ、とくに台湾問題と経済貿易関係の重要性に言及した。トランプは、習との偉大な関係を重視している、できるだけ早く会いたいと述べ、米中は今の世界で最も重要な国家だと習を持ち上げた。

競争を望まない中国を攻めるトランプ政権

電話会談の雰囲気がよかったせいか、はたまた中国側の願望の表れか、それからしばらく、中国メディアは国民に米中関係の好転を予感させるような報道を積極的に流した。あたかもバイデンとともに米中間のウミが消えたかのように。TikTok禁止令の施行を大統領令で延期したトランプは、中国の古い友人のように扱われた。

だが結局、トランプは米中貿易戦争を始めた男だ。アメリカは2月1日にカナダとメキシコに25%の新関税、中国に10%の追加関税をかけると公表。ふたを開けてみれば、アメリカは隣国の強硬な抗議を受け入れ、比較的反応がおとなしかった中国にだけ追加関税を適用。やむなく中国も、実体経済への影響を最小化した対抗関税を課した。

ただし、第2次トランプ政権の対中政策は、前回と性質が違う。今回は中国のグローバルな影響力をそぐことに照準を定めている。グリーンランド買収提案の裏には、ロシアと北極海航路の開拓に励む中国への懸念がある。パナマからの香港資本駆逐は、南北アメリカにおける中国の経済力浸透への反発だ。ガザのアメリカ所有構想も、中国がサウジアラビアなどに急接近し、中東で存在感を拡大しているのと無縁ではあるまい。

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