「落としどころ」が見つからなかった米中首脳会談 最大の懸案「台湾問題」でも解決の糸口は見えず

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11月15日にアメリカのサンフランシスコ郊外で会談するバイデン大統領と習近平主席。両者の顔合わせは1年ぶりだ(写真:ロイター/アフロ)

11月15日、APEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議に合わせ、アメリカのサンフランシスコ近郊においてバイデン米大統領と中国の習近平国家主席が1年ぶりの米中首脳会談を行った。

この首脳会談は簡単に決まったわけではない。2月4日にアメリカが中国の気球を撃墜し、中国は強く反発した。

事前に長時間の協議を繰り返した

それでも衝突を避けたい米中両国は、サリバン大統領補佐官やブリンケン国務長官が王毅政治局員(現在は外交部長兼務)と協議してきた。長時間の協議を繰り返したのは、首脳会談を行う条件や環境、さらに、両首脳の発言内容を細部に至るまで議論する必要があったことを示唆する。

首脳会談実現のハードルを高めた別の原因は、バイデン大統領が習主席を独裁者と位置づけるかのような発言をしたことだろう。

その際、バイデン大統領は、「中国は深刻な経済問題を抱えている」、「米中関係を構築したがっているのは習主席のほうだ」と述べ、別の機会に記者の質問に答えて、「両国関係に大きな影響はない。習主席とは近いうちに会うだろう」と述べた。

この発言の後に習主席が簡単に首脳会談に臨めば、バイデン大統領の発言が正しいと示すことになりかねない。実際、中国は「アメリカから求められ中国が応じた」という演出にこだわった。

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