「草ぼうぼうの太陽光パネル」各地に出現の危うさ 太陽光発電設備の周辺の下草に引火した事例も
なぜか、「草ぼうぼうの太陽光発電設備」があちこちに出現している。長かった酷暑で草木が成長し、管理が追い付かないだけなのか。
メガソーラーをめぐり発電事業者と地域住民の紛争が続く各地で人々が懸念しているのが、「固定価格買い取り制度の期間終了後、太陽光パネルが放置されてしまうのではないか」という問題だ。太陽光パネルのリサイクル義務化に向け、政府の検討が急ピッチで進む。地域住民の不安を払拭できるのか。
管理不適切な太陽光発電設備
政府は太陽光発電設備の廃棄・リサイクル制度を新たに作るため、環境、経済産業両省が合同で設けた有識者会議(注)で検討を進めている。2012年にスタートした再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の買い取り期間終了に伴い、「不用となった太陽光パネルが大量に排出される」事態に備えるためだ。両省の推計では、排出量は2030年代半ばから増え、最大年50万トンにのぼる。
資源エネルギー庁は再生可能エネルギー事業の不適切案件通報窓口を設けている。2024年3月時点の同庁のまとめによると、窓口に寄せられた情報のうち、最も多かったのが、「柵塀が設けられていない」「標識が見当たらない」「維持管理がずさん」「パネルが一部破損したままになっている」などの「適正な事業実施」に関するものだった。
管理が不適切、不十分という問題がそのまま将来の放置、不法投棄につながるわけではない。しかし、その姿を目の当たりにした地域住民の間に、「20年の買い取り期間終了後に適切に廃棄・リサイクルされるのか」という懸念を生んでいる。
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