「草ぼうぼうの太陽光パネル」各地に出現の危うさ 太陽光発電設備の周辺の下草に引火した事例も
このメガソーラーは、株式会社1社、合同会社2社の計3社の太陽光発電設備(出力はそれぞれ1980kW)が連なっており、2021 年3~4月に運転を開始した。保守点検、管理を行っているのは、1つの会社だ。
保守点検を行っている会社の雑草管理担当者は「2年くらい前から草木の発育がすごく激しくなっているんです。それまでは、草がひざ丈くらいまで伸びてきた段階で草刈りを手配すると、腰までの高さにいかないうちにきれいに刈り込みができたのですが……」と困惑した様子で話した。
この担当者によると、雑草管理には、①草刈りの業者が手配してから実際に来てくれるまで時間がかかる、②発電事業者の許可を得る必要がある――という2点の難しさがある。ここのメガソーラーの場合、発電事業者との契約で年1回は定期的に草刈りをし、あとは状況を見ながらオプションで追加という形で管理会社が発電事業者に提案し、草刈りを行ってきた。2024年は「6月に草刈りを行い、8月にまた草が伸びてきたのでやりましょうという話にはなっていた。発電事業者には要請済みです」という。
草ぼうぼうは発電事業者にとってデメリット
太陽光発電設備による悪影響に詳しい「比企の太陽光発電を考える会」の小山正人代表は「年に1回とか多くても3回くらいの草刈りでは雑草を抑えられません。太陽光発電施設の転売に伴う説明会などに行き、それを指摘すると、事業者は必ず、『雑草が伸びて太陽光パネルが日陰になり、発電効率が落ちると自分たちがソンをする。だからちゃんとやりますよ』と言うんです」と話し、基本的に手をかけたくない、という事業者側の姿勢に問題があると強調する。
実際、雑草の繁茂は、発電事業者にとってデメリットでしかない。話を聞いたメガソーラーの雑草管理担当者も「太陽光発電のパネルって、一部に草木の影ができるだけでも発電効率がどんどん落ちていきます。それに、最近頻発している銅線ケーブルの盗難も、草ぼうぼうの状態だと被害にあう可能性が高い。警察にも注意されました」と明かした。
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