中国が太平洋に空母2隻を展開した背景にあるのは、アメリカへの牽制とともに、海底資源への狙いも。

中国が初めて第二列島線を越えて空母艦隊を展開した。6月11日付の『解放軍報』は、中国海軍報道官が、空母「遼寧」艦隊と空母「山東」艦隊が、西太平洋などの海域に展開し、遠海防衛能力と統合戦闘能力を検証する訓練を実施したと述べた、と報じた。
「遼寧」が第二列島線の東側に、「山東」が西側に展開した。中国では、「遼寧」は作戦艦艇であると同時に訓練艦艇であり、空母が初めて第二列島線を越えるといった試験的な行動に用いられたとされる。新華社は軍事専門家の見解を紹介し、それぞれの「初」は「遼寧」艦隊の戦闘能力の飛躍的進歩を証明していると述べた。
列島線を否定、大型艦艇を世界に展開
「遼寧」が第二列島線を越えて展開したのは、アメリカに対する軍事力の誇示だろう。同記事は中国海軍軍事学術研究所研究員の言葉を引用し、日本メディアが「第一列島線」や「第二列島線」という概念を用いるのは、日本が依然として冷戦時代の対立思考にとらわれており、海軍艦隊の遠洋訓練を冷戦色の濃い考え方で捉えているからだとしている。
同研究員は、中国海軍の活動を監視するためにこの概念を使い続けるのは不適切だとする。反対に、米海軍はすでに「第三列島線」や「第二列島線」を越え、西太平洋、さらには中国近海にまで進出し、軍事演習、偵察哨戒、武力誇示を行ってきたではないかと述べた。
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