「シンプルに凄い」「どういう了見か」 "電撃訪ロ"に飛び交う臆測、《昭恵外交》が生む複雑怪奇な政治状況

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プーチン大統領とのツーショット写真とともに「隣国であるロシアとの文化交流は是非続けていただきたいと思います」などと投稿した(写真:昭恵夫人のX<@akie_official>より)

安倍晋三元首相(故人)夫人の昭恵氏(62)が5月29日(現地時間)にモスクワでウラジーミル・プーチン大統領と面会したことが、日本の政界だけでなく、国際社会にも波紋を広げている。

昭恵夫人は昨年12月、2期目の大統領就任直前だったアメリカのドナルド・トランプ大統領からフロリダ州の私邸に招かれて同大統領夫妻と会食した。一連の事態を受けて、「昭恵外交は唯一無二」(旧安倍派幹部)との称賛と、「米ロ首脳に利用されている」との批判が交錯している。

林官房長官の不快感の裏に潜む事情

昭恵夫人自身は5月30日、自身のX(旧ツイッター)に「モスクワのクレムリンにてプーチン大統領とお会いしました。(中略)主人が27回の首脳会談を通してプーチン大統領と築いてきた信頼関係を無駄にしたくない・・・隣国であるロシアとの文化交流は是非続けていただきたいと思います」と書き込み、プーチン氏とのツーショット写真も投稿した。

この“電撃訪ロ”に政府サイドは「事前に何の連絡もなかったし、面会への経緯も不明」(外務省幹部)と困惑を隠せない。

そもそも政府はウクライナ侵攻を続けるロシア全土に「渡航中止勧告」を発出中。林芳正官房長官は30日の会見で「基本的にはロシアへの渡航はやめるよう、国民に求めてきている」と不快感をあらわにした。

自民党内には、「昭恵夫人と親しい実力者が、石破茂首相を牽制するため仕組んだ」(麻生派幹部)との“陰謀説”が広がる一方、昭恵夫人が活動拠点としている山口県での林官房長官(衆院山口3区選出)との軋轢を指摘する声もある。

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