三菱商事系「バイオマス発電停止」が暗示する苦境 鈴川エネルギーセンターが当初公表した原因が注目

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エンビバ社の木質ペレット工場
アメリカにあるエンビバ社の木質ペレット工場(写真:Erin Schaff/The New York Times)
※本記事は2025年2月4日23:00まで無料で全文をご覧いただけます。それ以降は有料会員限定となります。

「事業の安定継続が課題である」

中長期的なエネルギー政策の基本方針を記す「エネルギー基本計画」。現在、政府は第7次計画の原案を取りまとめ、パブリックコメント(意見公募)を実施した段階だ。その原案でバイオマス発電の項目を紐解くとこんな記述が飛び出してくる。

2021年に閣議決定された第6次計画では、「各種政策を総動員して、持続可能性の確保を大前提に、バイオマス燃料の安定的な供給拡大、発電事業のコスト低減等を図っていく」と記載されていた。だが、この数年でバイオマス発電をめぐる環境は激変しているのだ。

その象徴的ともいえる出来事が昨年起きた。

当初は「経営不振」などと記載

2024年12月3日、鈴川エネルギーセンター発電所(静岡県富士市)が発電を停止した。運営会社の鈴川エネルギーセンターは、三菱商事クリーンエナジーが70%、日本製紙が20%、中部電力が10%を出資する。

同発電所は、2016年9月に石炭火力発電所(出力11.2万キロワット)として運転を開始した。が、気候変動問題の高まりなどを受けて発電設備を改造し、2022年4月からは木質ペレットを燃やして発電するバイオマス発電所として運転していた。

その発電所が並々ならぬ苦境にあると関心を集めたのは、日本卸電力取引所の「発電情報公開システム」に表示された「停止原因」だった。

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