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ハワイ、豪州に学ぶ、石炭火力発電廃止への道筋 再エネと蓄電設備が最適解、コストも割安に
今年4月のG7気候・エネルギー・環境相会議では、2035年までに石炭火力発電を段階的に廃止することが加盟国の間での原則となった。G7諸国で日本とともに廃止目標時期が未定であったアメリカでは2032年までに90%排出削減を義務づける規制が4月に導入され、全廃に向けて大きく前進した。日本への圧力はいよいよ強まっている。
日本では、石炭火力は現在、電源構成(発電電力量)のうちで約3割を占めている。現行のエネルギー基本計画では2030年度時点でも19%という高い水準を維持する。5月に始まった第7次エネルギー基本計画策定に向けた審議では、2040年の電源ミックスなどが議論される見通し。石炭火力のあり方も焦点の一つとなる。
石炭火力のフェーズアウトをどう進めるか、アメリカのハワイ州とオーストラリアの取り組みを解説する。ハワイ州では孤立系統の離島における大規模設備の閉鎖である。石炭産出国で石炭火力のシェアが高いオーストラリアも廃止計画を打ち出している。ハワイ州およびオーストラリアでの廃止の動向を解説し、日本が学ぶべき点について検証する。
※本記事は2024年7月13日6:00まで無料で全文をご覧いただけます。それ以降は有料会員限定となります。
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ハワイ州では石炭火力発電を蓄電設備で代替
ハワイ州では2022年9月、唯一にして州内最大規模の石炭火力発電所を廃止した。2023年12月には同規模で高機能の蓄電設備を導入し、再生可能エネルギーとともに石炭火力を代替した。
石炭火力発電所はハワイ州で人口が最も多いオアフ島に立地していた。180メガワット(18万キロワット)の発電能力は同島のピーク需要の17%を占め、需給変化や非常時に対応できる価値をも考えれば、廃止できるのか疑問の声も小さくなかった。しかし、蓄電設備、特にリチウムイオン蓄電池の技術進歩は著しく、火力発電が有するさまざまな機能を代替できる時代となった。
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