〈完全版〉地銀「ジリ貧」ランキング!「金利ある世界」到来でも苦戦、利上げが「逆風」となった地銀続出

2024年3月に日本銀行がマイナス金利を解除し、0.5%まで政策金利が引き上げられた。今まさに銀行業界が待ち焦がれた「金利ある世界」が到来している。
政策金利が引き上げられると、銀行の貸出金や債券などから得られる利息も増加する。東洋経済の集計では地方銀行全体の2025年3月期コア業務純益(投信解約損益除く)は、前期比19.7%増の1兆8660億円と大幅に拡大している。
「利上げ」で預貸金利回りが悪化
一方で、すべての銀行が利上げの恩恵をすぐに受けられるわけではない。貸出金には、利上げに早く連動する「市場連動型」や「変動金利型」の貸し出しと、そもそも連動しない「固定金利型」の貸し出しが存在する。
固定金利型の割合が高い銀行では、利上げ局面であっても貸出金利回りの改善がそれほど進まないのが実情だ。むしろ先に引き上げる預金金利の利息支払いに伴って、預貸金利回りが悪化している銀行が少なくない。
有価証券運用においても、一部の銀行では利上げが逆風となる。金利が上昇すると、既存の低利な債券は価格が下落するため評価損が発生する。実際、2025年3月末時点で多くの地銀が有価証券運用全体で評価損を抱える状態に陥っている。
では、「金利ある世界」で業績を伸ばしている地銀、苦戦している地銀はどこなのか。東洋経済は全国の地銀97行の最新決算を集計。個別行の収益力や財務健全性などを基に「ジリ貧」ランキングを作成した。