「草ぼうぼうの太陽光パネル」各地に出現の危うさ 太陽光発電設備の周辺の下草に引火した事例も
一方、一般社団法人太陽光発電協会(会員は太陽光パネルのメーカー、発電事業者を含め太陽光発電に関する幅広い分野の155社・団体)は「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」を作成。西仙台ゴルフ場メガソーラー発電所火災の直後には、保守点検の実施、草刈りなどの対策を促す注意喚起を出した。その中で、「最近、地上設置の太陽電池発電設備では、草刈りが必要十分に行われていない例も見受けられる」と警告している。
草木に覆われたまま放置されている個人所有の太陽光発電設備の問題について、太陽光発電協会の亀田正明技術部長は「空き家問題と一緒です」と述べ、続けた。「現在は、放置された太陽光発電所はそんなにはないと思いますけど、放置状態、手入れしていないものはあるかもしれませんね。われわれはホームページで手入れに必要なチェックリストを示して、ちゃんと手入れしましょう、こういうのは問題ありますよ、と紹介しています」。
放置状態にある太陽光パネルは「廃棄物」?
環境、経産両省は、放置対策に関連し、空家等対策特別措置法の概要を有識者会議の参考資料に載せている。特別措置法は2015年5月に施行され、2023年12月に改正法が施行された。これにより、適切な管理が行われていない空き家に対して市区町村が指導、勧告を行えるようになった。さらに、倒壊の恐れがある、あるいは衛生上周囲に害を及ぼす空き家の場合は「特定空き家」に指定して取り壊すよう求める命令や代執行などの措置を定めた。
放置状態にある太陽光パネルなどの設備が「廃棄物」にあたるかどうかの判断は難しい。電気的な接続が切られていれば電気事業法に基づく電気工作物ではなくなるが、行政が設備の所有者に連絡をつけても、「売るつもりだ」と言われれば廃棄物には当たらず、所有者が自分の土地や借りた土地に置きっぱなしにしていても、問題にはできない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら