
勝訴判決を受けて担当弁護士と記者会見した江口實さん(右)(記者撮影)
認知症や精神疾患の事実がないにもかかわらず、民間救急業者によって、富山県から遠方の栃木県内の病院に連行され、精神科病院に強制入院させられたとして、元介護施設経営者の江口實さんが病院と担当医などに損害賠償を求めた訴訟の判決が、5月に出された。宇都宮地裁は強制入院の判断は誤りで、違法に身体の自由を侵害したとして、約312万円の支払いを命じた。双方が控訴せず、6月中旬に判決は確定した。
判決などによると、この病院は2018年、金銭トラブルのあった長男からの認知症との虚偽申告を鵜呑みにし、認知機能検査を行わず医師の診察だけで、認知症妄想型の精神障害者として強制入院させた。入院後に認知症でないと診断されたが、37日間の入院と向精神薬の服用で、「字が書けなくなり、よだれを垂らし、失禁するようになった」(江口さん)という。
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