ユニ・チャーム、止まらない株価下落のなぜ?海外開拓巧者が苦悩する中国とインドネシアの変調。業績堅調でも計画届かず、市場から失望の声も

大手日用品メーカー、ユニ・チャームの株価下落が止まらない。
7月16日終値は年初来安値の1004円を記録。約2年前の2023年8月10日終値の1964円から半値近くまで沈んでいる。この間、ライバルの花王、日経平均株価は25%程度上昇しており、ユニ・チャームの下落ぶりが目立つ。
国内における日用品市場が成熟する中、ユニ・チャームは積極的に海外展開を推し進めてきた。約80カ国・地域でビジネスを展開しており、グループ従業員数の約8割は外国籍だ。2024年12月期は海外売上比率が約7割近くあり、5割未満の花王に比べても、日用品業界ではグローバル化の先陣を切ってきた。
中国は日本ブランド低迷、為替除いた減収続く
ユニ・チャームに今、何が起きているのか。その背景には、海外で主力にしてきた中国とインドネシアの2大市場での相次ぐ変調がある。
ユニ・チャームの開示資料によると、中国事業は為替変動を除いた実質売上高が2022年12月期に前年比マイナスへと転じた。2021年12月期から2024年12月期までに実質売上高が2割以上減少するなど、成長の鈍化が数字に表れている。
いくつかの要因があるが、まずは中国市場での日本ブランド力の低迷がある。
中国を中心に日系企業のグローバル展開を支援している、NOVARCA(ノヴァルカ)の濱野智成社長は、「過去には大きなシェアを有していた日本のブランドが中国品にシェアを奪われている。これが一番大きいマクロトレンドで日本企業は苦しんでいる」と分析。そのうえで、「現地ブランド品のほうがニーズが高まっていて、中国市場における“メイド・イン・ジャパン神話”はもうない」と言い切る。
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