「草ぼうぼうの太陽光パネル」各地に出現の危うさ 太陽光発電設備の周辺の下草に引火した事例も
2024年9月、私はX(旧ツイッター)に投稿された写真を見て驚いた。草木に埋まった状態の太陽光パネルが写っていた。投稿主は首都圏の大学の農業関係の研究者。連絡をとったところ、通りがかりに気になり、道路から撮った写真だそうで、位置情報を教えてくれた。
グーグルマップを見ると、同じ場所を2022年に撮影した写真があった。この時には、草木に覆われていない。やっと秋になった10月下旬、その場所を訪れると、研究者が9月に送ってくれた写真同様、草木に覆われていた。道路に面した敷地には廃車、廃タイヤ、石、木材などが置かれていた。草木の間からかろうじて太陽光パネルが見えた。
近所の人の話と資源エネルギー庁が公開している再生可能エネルギー発電施設の情報、不動産登記情報をつきあわせると、土地の所有者は埼玉県内の隣の市に住む個人で、発電事業者はその家族とみられる個人。発電出力は22kW、2014年に認定を得て翌2015年に運転を開始している。
近くに住む70代の女性は、「太陽光発電設備の持ち主がわからないんですよ。発電事業者や保守点検責任者を示す標識もありませんし。(太陽光パネルが置かれてから)しばらくは、周りの草も刈られていたんです。それからだいぶ経って今は、あんな状態。町会の役員をしていたときに、『防災防犯上困る』と市役所に言いましたが、全く取り合ってもらえませんでした」と不安そうに訴えた。
メガソーラー保守点検企業「2年前から草の伸びが激しく」
個人所有の小規模な太陽光発電設備と同様、1000kW以上のメガソーラーでも草木に覆われているケースがある。
埼玉県内の里山に設けられたメガソーラーは、山の正面から見ても、脇から見ても、草木に覆われていた。私自身、2021年4月と2023年6月にそれぞれ、このメガソーラーを撮影している。その時には、太陽光パネルの周りに草木は茂っていなかった。
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