有料会員限定

生物多様性の回復に必要で企業の取り組み課題。今こそ知っておきたい「ネイチャーポジティブ」①

✎ 1 ✎ 2
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
生物多様性を回復するために企業は何をすべきか(写真:maruco / PIXTA)

特集「今こそ知っておきたい「ネイチャーポジティブ」」の他の記事を読む

生物多様性の回復を目指す「ネイチャーポジティブ」がビジネスの世界で注目されている。ネイチャーポジティブの達成には、「生態系の広がり」「生態系の状態」「種の絶滅リスク」の3つを改善する必要がある。

2020年を基準年として、それらの減少・劣化が2030年までに反転し、2050年には完全に回復することを目指し、取り組みが進められている。この連載では、ネイチャーポジティブの動向についてご紹介していく。

第1回は企業がなぜネイチャーポジティブに取り組まないといけないのかを解説する。

【配信予定】
8月4日(月) ②2050年のネットゼロ達成に不可欠な森林破壊ゼロ
8月5日(火) ③拡大する水産資源の枯渇にどう対処すべきか
8月5日(火) ④高まる水リスクと淡水の生物多様性の取り組み
8月6日(水) ⑤ネイチャーポジティブ時代の金融機関の役割

世界で生物多様性の豊かさが急減している

最新の『CSR企業総覧(ESG編)』は現在発売中。書影をクリックすると東洋経済のストアサイトにジャンプします

なぜ企業はネイチャーポジティブに取り組まなければならないのだろうか?

結論から言うと、世界の生物多様性の豊かさが1970年以降70%以上減少し、環境面で危機的状況となっているためだ。「ダボス会議」として知られる世界経済フォーラムが行うビジネスや政府、その他のリーダー対象のグローバルリスク調査でも、生物多様性喪失は異常気象や天然資源の枯渇などと並び、世界の危機の上位5つに認識されている。このように世界的に生物多様性の喪失への問題意識は高まっている。

こうした危機感を背景に生物多様性保全に取り組む企業連合であるBusiness for Natureは、第15回生物多様性条約締約国会議(COP15)に向けて、短期的利益とGDP(国内総生産)を超えた自然に関する評価の仕組みづくりや、サプライチェーンや産業をまたぐ協働メカニズムの促進を求めた。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD