社内改革が実を結び業績好転へ
――2024年12月期、25年12月期と2期連続営業減益の後、26年1月に発表した今26年12月期の期初見通しは前期比13.1%営業増益の慎重な予想でした。しかし6月5日に上期、通期見通しを大幅増額修正し、7月に発表した1〜6月期(上期)決算は計画を上回る着地でした。業績好転の背景を教えてください。
21~23年は世界的な脱炭素化の動きが追い風となり、当社は想定外の成長をした。その反面、各部門は目の前の受注対応に追われ、将来への新技術・製品開発や、市場や顧客に密着したニーズの探索などの成長戦略を思うように進められなかった。
このため24年には技術開発、商品企画、マーケティングの各部門をR&D(研究開発)本部と顧客に密着させ、ニーズ探索や新商品企画を担うプロダクト&マーケティング(P&M)本部に組み直した。つまり顧客の声を聞き、いち早く製品開発を具現化するための社内改革を2年間やってきた。営業のプロセスを変え、研究開発とマーケティングを分け、マーケティング機能のさらなる強化を進めた。
その結果、顧客のニーズを各国で把握できるようになるなど、現場の製品開発のプロセスが変化してきた。ようやく社内改革が実を結んだというのが今の印象だ。
その結果、今26年12月期は第1四半期(1~3月)の業績の伸びが予想より強く、6月に上期(1〜6月期)と通期業績(1〜12月期)の見通しを上方修正したが、6月単月の動きも我々の想定より強いという結果になった。
――受注、売り上げで特に伸びが目立つのが中国です。中国戦略をどのように展開してきましたか。
当社はエネルギー、モビリティ、コンポーネント(電子部品等)、バッテリーの4つのマーケットに注力している。中国ではその4つのマーケットに合わせた専業営業体制に変更した。
具体的には1次的な営業、現地の2次的なアプリケーションエンジニア、そして本社から行く3次的なマーケティングや開発のメンバーが加わる3層構造になっている。分野ごとに技術に精通したメンバーが営業をやっているため、顧客から頼りにされ、好評を得ている。
顧客との接点が大切だという経営の考え方でやっているため、当社では中国に120人超の営業人員を投入している。日本や海外の競合と比べても、中国でここまで営業人数を投入している企業は少ないと思う。
顧客からアドバイスしてもらえる機会が以前より増えているほか、当社の中国の顧客は中国国内ではなく、グローバル市場でビジネスを拡大して投資しているという特徴もある。
中国については、当社の手持ちの技術では対応できないニーズも増えている。その製品開発を具現化するために、23年から顧客との「協創拠点」(顧客と共同で製品開発する拠点)の拡充を図っている。顧客から直接相談されたものを開発する協創拠点という機能が中国ではうまく回っている。この成功体験は他の国にも持っていけるものだと考えている。
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