――前回は漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(以下『オリジン』)に登場する、シャアの親世代について伺いました。偉大な父親がいて、その息子として生まれた、やはり偉大な人物の物語としては『アレクサンドロス』も描かれています。英雄的な人物を描くときに、安彦さんは直球でただかっこよくはしないのだと感じました。アレクサンドロスの描かれ方には、屈折した部分、弱い部分が強調されている印象があります。
それは曲解ではなく、そうだっただろうと確信がありますけどね。アレクサンドロスも割とうまく描けたなと思っていて、あの複雑な人間を240ページでまとめるという課題には無理があるんだけども、それにしては描けたなと。あれもマザコンにしちゃったんですよね。
――『オリジン』のシャアと重なるところがありました。
幼いんですよ。成熟した英雄ではなくてね、幼さを引きずってる。シャアもそうだと思うんですよね。人気が出ると怖いのは、キャラクターが絶対視されて、完璧だとかね、憧れだというふうになっちゃうんだけども、それには危うさがある。
――絶対視や全肯定に歯止めをかけるような描き方をされているということでしょうか。
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