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ビジネス #すごい中堅企業100 2026年版

「規模」ではなく「付加価値」で稼ぐ!人手不足・インフレを逆手に取って成長する「すごい中堅企業」はどこが違うのか

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「すごい中堅企業100 2026年版」特集

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「中堅企業」カテゴリーの創設から約1年半が経過し、政府の支援策も本格的に動き出した。AIの進化や人手不足、インフレといった構造変化の中で、中堅企業は日本経済の牽引役として存在感を高めている。『週刊東洋経済』5月2日・9日合併号の特集は「すごい中堅企業100 2026年版」だ。

富山市の東に位置する滑川市。立山連峰を背に広がる工場の一角で、超高圧の水流によって厚さ3mmのアルミ板が滑らかに切り抜かれていく。見学用に実演された加工では、特産品であるホタルイカの形が浮かび上がった──。

スギノマシンの超高圧水切断装置「ウォータージェットカッタ」でアルミ板を切り抜く様子。ホタルイカの足の形まで精緻に浮かび上がった(撮影:梅谷秀司)

産業機械メーカー、スギノマシンの超高圧水切断装置は、水と研磨材を高速・高圧で噴射することで、金属や樹脂、セラミックスなど材質を問わず加工できる。形状の自由度が高く、高精度な加工技術は多様な産業分野に不可欠な存在だ。研磨材を使用せず、水のみで切断する食品向け装置は、刃こぼれの心配がなく、非接触のため衛生面でも優れる。

規模ではなく付加価値で稼ぐ

国内外で約5000社が同社の装置や技術を採用する。営業利益率は約15%と高水準で、賃上げも近年は年平均5%以上を継続している。杉野岳社長は、「自分たちの強みを磨き上げ、お客様が得られる価値を高めることで、将来は利益率20%以上を目指す」と意気込む。規模ではなく付加価値で稼ぐ。これこそが中堅企業の強みだ。

『週刊東洋経済 2026年5/2・5/9合併号(すごい中堅企業100)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

水資源や電力などの条件に恵まれた富山県には化学、非鉄金属、機械などの産業が集積する。石川県や福井県を含む北陸一帯で製造業の基盤は厚い。

「北陸の企業は互いに得意分野を磨きながらすみ分け、ニッチ分野で競争力を高めてきた。その積み重ねが中堅企業の厚みを生んでいる」(北陸経済研究所の米屋信弘主任調査員)

中堅企業は全国で約9000社。中小企業約336万社に比べると圧倒的に少ないが、国内売上高や設備投資の伸び幅で中小企業を陵駕する。

半数が創業家によるファミリービジネスで、長期視点で投資や人材育成を続けることが競争力の源泉となり、安定した収益力にもつながっている。

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【地方企業が高付加価値経営を実現】

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