「洋上風力発電」が地球に悪影響も与える驚く事実 世界の科学者による解析で示された報告書の中身
現時点で把握されている生物種のうち約6割が絶滅への道を歩んでいる、と5年前に警告した国連機関が異色の報告書を出し、静かな波紋を広げている。
世界の科学者と各国政府代表で構成する「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES、イプベスと読む)」が公表した2つの報告書は、気候変動をはじめ5つの危機の間には、1つの危機の解決策がそのほかの危機を悪化させかねない「相互連関」があることを明らかにし、生物多様性の損失の根本原因と変革の道を探った。
危機に個別対処するのは誤り
気候変動のもとでの「生物多様性、水、食料、健康の相互関連性に関する評価報告書」は、政策決定者向けの要約版が12月17日に公表された。世界57カ国から選ばれた専門家165人(うち日本人8人)が作成した。
要約版は、冒頭の「鍵となるメッセージ」で、まず生物多様性と気候変動が相互に依存していることを説明した。難しい表現を言い換えたり、説明を加えたりして引用する。
<森林や海域の生態系システムは、集中豪雨や干ばつといった「極端な気候現象」の影響をやわらげたり、二酸化炭素の吸収源になったりすることにより、気候変動を緩和し、また人がこうした地球温暖化や気候災害に対処、順応することに役立っている。しかし、生物多様性の損失は、森林や海域といった生態系システムの能力を減じ、炭素の吸収を阻んで大気中の温室効果ガス濃度を増やし、気候変動を加速する>
同様に、「鍵となるメッセージ」は、生物多様性と生態系が水、食料、健康を支えている点について、かみ砕いている。
<生物多様性と生態系の機能は、気候サイクルや栄養、水循環をコントロールし、きれいな水を供給し、食料システムを支え、病害虫や病原菌を規制し、肉体的精神的健康を改善し、薬を提供し、文化を支える>
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