コロナ禍、世界的なインフレ、ウクライナ戦争やパレスチナ問題、そして気候変動の急速な悪化……。地球規模で起こる事象を受け、アパレル業界はいま、グローバルで大きく変化している。
2000年代から世界を席巻した「大量生産・消費のファストファッション」は、地球環境に配慮する「サステナブルファッション」に移行しつつある。欧米を中心に規制やガイドラインが整備され、消費者の意識・行動も変わりはじめた。
結果、新品市場が伸び悩み、中古品市場やデジタルファッション市場に注目が集まっている。
グローバルでファッションの潮目が大きく変わる中、日本のアパレル企業は生き残ることができるのか?
著書『2040年アパレルの未来─「成長なき世界」で創る、持続可能な循環型・再生型ビジネス』を上梓したコンサルタントの福田稔氏がアパレル/ライフスタイル領域の企業が今、何をすべきかを解き明かす連載4回目。深刻化する環境問題に向け、一歩進んだ業界や企業の取り組みについて解説する。
このまま進めば、地球の気候はもっと危機的状況に
経験したことのない猛暑や大雨、ゲリラ豪雨など、温暖化の影響による異常気象は、私たち日本人だけでなく、世界中の人たちが肌で感じている地球規模の環境変化です。
世界気象機関(WMO)は、2023年の1月~10月の平均気温が産業革命以前から1.4度ほど上昇し、観測史上最も暑い年になることは確実と指摘。
パリ協定で締結した「産業革命以前から1.5度の上昇に抑える」という目標の手前まで、現実は迫っています。
深刻さを増す気候変動のスピードに、国連も本気で立ち上がろうとしています。
2023年12月、国連の気候変動会議(COP28)は「化石燃料からの脱却」という文言を初めて盛り込みました。一部の欧米メディアでは、歴史的な合意と報じられています。
このような中、社会や企業は何を目指すべきなのでしょうか。
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