農業で稼ぐのは簡単?難しい?ゼロから農業を始める会社員が陥りやすい「落とし穴」

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(写真: dorry/PIXTA)
近年、コロナ以降のライフスタイルの変化を背景に、地方移住や食への関心が高まり、農業に興味を持つビジネスパーソンが増えています。しかし一方で、「農業は儲からない」「続けるのが難しい」といった声も多く、赤字に苦しんだり、志半ばで離農したりする人も少なくありません。さらに近年の物価高や異常気象が、その傾向に拍車をかけています。
そこで、農業の現場で活躍する高津佐和宏氏、寺坂祐一氏、潮田武彦氏の3名が共同執筆した著書『ゼロからはじめる 稼ぐ農業 必ず知っておきたいこと100』より、新規就農を目指す人が知っておくべき農業のリアルと、成功するための考え方について解説します。

農業を仕事として成立させるということ

農業を始めようとする理由は人それぞれです。実家が農家だったから、自然の中で働きたいから、安全で美味しい野菜を育てたいからといった動機が挙げられます。理由は多様ですが、共通して言えるのは、農業で稼ぐためには農業を趣味ではなく仕事と捉え、生計を立てる手段であると心得なくてはならないということです。

農林水産省の調査によれば、新規就農者のうち、約62%が農業だけで生活できていないという現実があります。つまり、多くの人が副業や補助金を活用しながら生計を立てているのです。このデータからも、「農業を仕事にするには、それなりの準備と戦略が必要である」ことが分かります。

成功している農家は何をしているのでしょうか? 農業は単に作物を作るだけではありません。収益を上げるためには、売る力、経営の視点が不可欠です。また、農業で利益を出すためには、市場の動向を読み、需要の高い作物を選ぶことが求められます。特に新規就農者は、最初から多品目栽培に手を広げすぎず、1つの作物に集中する戦略が有効です。

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