農業で稼ぐのは簡単?難しい?ゼロから農業を始める会社員が陥りやすい「落とし穴」

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

また農業を始めたいと考えたとき、最初に直面する課題の1つが農地の確保です。どこで、どのような土地を手に入れるかによって、農業経営の成否が大きく左右されます。

実際には、儲かっている農家が多い地域ほど、新規参入が難しいという現実があります。すでに成功している農家が多い地域では、農地の売買や貸し出しが活発ではなく、空き農地が出回ることはほとんどありません。

また、農業経営が安定している農家ほど、後継者や親族間での承継が進んでおり、新規就農者が農地を手に入れるのは容易ではありません。このような地域で農地を確保するためには、地域の農家や自治体と良好な関係を築き、信頼を得ることが不可欠です。

「耕作放棄地」は本当に使えるのか?

一方で、「すぐに農地が見つかる」という地域には、別のリスクが潜んでいます。例えば、土壌や気候が作物栽培に適していない、自然災害のリスクが高い、物流や販売環境が整っていないなどの理由で、農業経営が難しくなっている可能性があります。「土地が空いているから」と安易に飛びつくのではなく、その地域の農業環境や経済状況を十分に調査することが重要です。

新規就農者に紹介されることが多いのが、耕作放棄地です。長年使われていない土地は安価で借りられることが多く、一見すると魅力的に感じられます。しかし、実際には再生に多くの時間とコストがかかるため、慎重に判断する必要があります。

また耕作放棄地は雑草が生い茂り、土壌が劣化していることがほとんどです。そのため、地力を回復させるには数年単位の時間を要する場合があります。また、放置された土地は病害虫が発生しやすく、農薬や土壌改良のための費用がかさんでしまう可能性もあります。仮に「すぐに作物が育つ」と言われても、その言葉を鵜呑みにせず、自分の目で土地の状態を確認し、専門家の意見を聞いたうえで判断することが求められます。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事