“ガラパゴス”と揶揄され…劣勢続いた「国産ゲーム」の復活劇 興銀からゲーム会社社長に転身した異色クリエーターが振り返る“激動の20年”

FPSが世界的ブームに
――この20年間で世界のゲーム市場は急拡大しました。何が起きたのでしょうか?
2000年代前半に、3DCG(3Dコンピュータグラフィックス)ゲームの普及が一気に進みました。北米市場では、写実的なガンシューティングゲームであるFPS(一人称視点シューティング)やTPS(三人称視点シューティング)が席巻しました。
これらのゲームがPCや家庭用ゲームだけでなく、モバイルゲームにも移植されたことで、世界的なブームを巻き起こしたのです。
とくに2017年の『PUBG』、2019年の『Apex Legends』、2020年の『フォートナイト』といった人気作品は、「基本プレイ無料」のバトルロワイヤルゲームという新しいトレンドを生み出し、2020年代に入ると、世界で最もゲーム人口が多いゲームとして一世を風靡しました。
一方、ゲーム内の世界をプレイヤーが自由に探索できるオープンワールドゲームも、1000万本を超える大ヒット作品を数多く生み出してきました。
その中で、かつて世界市場の50%を占めていた日本のゲームの存在感は薄れ、暗雲が立ち込めるようになります。
━━日本のゲームは「ガラパゴス」などと揶揄されました。
ガラパゴスという言葉には、日本のゲーム開発者がロールプレイングゲーム(RPG)や(ステージを順番にクリアしていく)アクションゲームといった、昔から作ってきたゲームジャンルにこだわり続けていること、そして3DCGの技術力で決定的な差があり、日本のゲームはもう海外のゲームには勝てない、という意味合いが含まれていたと思います。
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