そこで最近、「第三者承継」という方法が注目されています。これは、高齢化などで後継者がいない農家から農地や設備、さらには経営そのものを引き継ぐ方法です。新規就農者がゼロから農業を始めるよりも、すでに確立されたノウハウや販路を活用できるため、経営負担を軽減できるメリットがあります。しかし、引き継ぐ際には農地だけでなく、経営状況や資産負債の確認を怠らないことが重要です。
特に、設備の老朽化や借入金の有無は慎重にチェックするべきポイントです。農業設備の修繕費がかかる場合や、想定以上の負債を抱えてしまうと、経営が苦しくなる可能性があります。契約を結ぶ前に詳細な条件を確認し、必要であれば専門家のアドバイスを受けながら進めることが望ましいです。
農業を単なる生産ではなくビジネスとして捉える
このように農業は決して楽な仕事ではありませんが、「農業=儲からない」わけではありません。成功するためには、農業を単なる生産ではなくビジネスとして捉え、計画的な資金管理とリスクヘッジを行い、成功している農家のノウハウを学び、販売戦略をしっかり立てることが求められます。
また、農業における失敗事例も知ることが大事です。特に新規就農者が陥りやすい落とし穴として、過度な初期投資や市場分析の不足が挙げられます。これらのリスクを回避するためには、事前のリサーチを徹底し、経験者のアドバイスを取り入れることが不可欠です。
これからの時代、農業はますます多様化し、ビジネスチャンスも増えていくでしょう。自分の強みを活かしながら、計画的に取り組むことで、「稼げる農業」を実現する道は十分に開けています。
著者フォローすると、高津佐 和宏さん・寺坂 祐一さん・潮田 武彦さんの最新記事をメールでお知らせします。
著者フォロー
フォローした著者の最新記事が公開されると、メールでお知らせします。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。
こうつさ かずひろ / Kazuhiro Koutsusa
合同会社アグリビジネスパートナーズ代表社員。農業経営コンサルタント。農業経営を学び続ける有料オンラインスクール「儲かる農家のオンラインスクール」主宰。上級農業経営アドバイザー。1979年、宮崎県小林市に3人兄弟の長男として生まれる。実家は父の代から始めた花卉(菊が中心)農家。宮崎県内の農業高校、宮崎大学農学部、宮崎大学大学院修士課程を修了後、経営の側面から農業を勉強するために、JA宮崎経済連に就職。農業経営コンサルタントとして2018年4月に独立。独立後は、農家を直接支援するために、YouTube(1万人超)、X(旧Twitter)(4800人)、Facebook、Instagramなどで「儲かる農家になるための情報」を発信しながら、講演・セミナー活動、個別コンサルなどを行っている。主宰する「儲かる農家のオンラインスクール」には全国250名(2024年7月時点)の有料会員が在籍している。また、2022年1月からは新規就農者を対象として「農業始めたい人の学校」を講師3名体制でスタート。
著者フォロー
フォローした著者の最新記事が公開されると、メールでお知らせします。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。
てらさか ゆういち
18歳で“超赤字農家”を継ぎ、苦境の中でメロン栽培を拡大。直売所の開設を機にダイレクトマーケティングを学び、農業に応用。8年で売上4倍、年商1億円を達成。『北海道・富良野からおいしいメロン・野菜を全国にお届けし、お客様に「おいしいっ」と喜んでほしい』を理念に据え、産地直送に取り組む農業を続けている。
著者フォロー
フォローした著者の最新記事が公開されると、メールでお知らせします。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。
うしおだ たけひこ
肥料メーカーの家に生まれ、名人農家の技術を継承。農業歴25年。「人参物語まるごと100%にんじんジュース」は経済産業省 The Wonder 500 に認定。「土作り、栽培、経営、6次産業化、IT」 まで、農業の全プロセスを支援できる唯一の農業コンサルタント。「集中するものは拡張する」「土作りが農業の問題を全て解決する」をモットーに、全国各地で個人指導・講演を行い、300人以上の農業者を支援。無心無欲で農家の経営改善に取り組む。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら