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“日本の夫婦同性制度”の問題点「若い女性にとって絶望の国」「旧姓併記では解決せず」、日弁連・経団連が訴える選択的夫婦別姓の必要性

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日弁連会長の淵上玲子氏(写真左)と経団連の大山みこ氏(右)が、日本の夫婦同姓制度の問題点について指摘した(撮影:梅谷秀司、今井康一)

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野党3党による法案が提出され、28年ぶりに国会で審議された選択的夫婦別姓制度。採決は見送られて継続審議とされたものの、実現を求める機運は高まり続けている。
日本弁護士連合会(日弁連)では「選択的夫婦別姓の実現」を公約に掲げた渕上玲子氏が、昨年4月に女性初の会長に就任。経済団体連合会(経団連)も、昨年6月に制度の早期導入を求める提言を初めて発表した。
日弁連の渕上会長と、経団連の提言を取りまとめたソーシャル・コミュニケーション本部副本部長の大山みこ氏に、選択的夫婦別姓を求める背景、実現への期待を聞いた。

必要なのは4法令の改正のみ

渕上玲子氏・日弁連会長

――世論調査では選択的夫婦別姓への賛成が多数派ですが、選択的夫婦別姓への反対が一部で根強く残っています。背景をどのようにお考えですか。

1つは誤った情報に誘導されていること。まず、戸籍がなくなるという指摘があるが、戸籍制度はわが国の重要な制度であるという認識には変わりなく、選択的夫婦別姓制度ができても戸籍制度は問題なく維持される。

ある自民党議員が「関係する法律や政省令が膨大」と主張していたが、法制審案のために改正が必要な法案は4法令のみだ。

また、選択的夫婦別姓を導入したら通称使用ができなくなるという人もいるが、これは両立する。夫婦別姓が実現しても通称使用を続ける人は結構な割合でいるだろう。通称使用をできるだけ拡充していくという活動はこれからも必要になる。

――夫婦別姓になると、親と子どもの氏が違って子供がかわいそうという意見も聞かれます。

そもそも夫婦同性を強制している国は日本だけ。外国ではファミリーの一体感がないのか、子どもがいじめられてかわいそうなのかというと、まったくそんなことはない。

事実婚や、離婚や再婚、国際結婚で親と子の氏が異なるファミリーはたくさんある。その人たちのお子さんがかわいそうだということ自体が偏見に満ちている。そう言われる子どもたちがどんな思いになるのか、まったく配慮に欠けている。

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