
必要なのは4法令の改正のみ
渕上玲子氏・日弁連会長
――世論調査では選択的夫婦別姓への賛成が多数派ですが、選択的夫婦別姓への反対が一部で根強く残っています。背景をどのようにお考えですか。
1つは誤った情報に誘導されていること。まず、戸籍がなくなるという指摘があるが、戸籍制度はわが国の重要な制度であるという認識には変わりなく、選択的夫婦別姓制度ができても戸籍制度は問題なく維持される。
ある自民党議員が「関係する法律や政省令が膨大」と主張していたが、法制審案のために改正が必要な法案は4法令のみだ。
また、選択的夫婦別姓を導入したら通称使用ができなくなるという人もいるが、これは両立する。夫婦別姓が実現しても通称使用を続ける人は結構な割合でいるだろう。通称使用をできるだけ拡充していくという活動はこれからも必要になる。
――夫婦別姓になると、親と子どもの氏が違って子供がかわいそうという意見も聞かれます。
そもそも夫婦同性を強制している国は日本だけ。外国ではファミリーの一体感がないのか、子どもがいじめられてかわいそうなのかというと、まったくそんなことはない。
事実婚や、離婚や再婚、国際結婚で親と子の氏が異なるファミリーはたくさんある。その人たちのお子さんがかわいそうだということ自体が偏見に満ちている。そう言われる子どもたちがどんな思いになるのか、まったく配慮に欠けている。
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