開業したデジタルバンク「01銀行」成否のカギ。特化する法人向けオンライン融資で苦戦する事業者が目立つ中、差別化を図れるのか

「これまでの銀行業務の延長ではなく、0から1を目指す創造の銀行」――。
大阪府を地盤とする銀行持ち株会社の池田泉州ホールディングス(HD)は7月28日、傘下のデジタルバンク「01(ゼロワン)銀行」を開業した。地方銀行発のデジタルバンクは、ふくおかフィナンシャルグループ(FG)傘下の「みんなの銀行」、東京きらぼしFG傘下の「UI銀行」に次ぐ3行目となる。
池田泉州HDの阪口広一社長は7月24日に開いた記者発表会で、01銀行の開業に当たっての意気込みを冒頭のように述べた。その特徴は、中小企業などの法人向け融資に特化している点。借入可能額は1社当たり10万~1000万円で、借入期間は最長1年間。一律の金利は設定せず、それぞれ信用リスクに見合った金利で貸し出す。
SaaSデータを融資に活用
融資審査にあたり、決算書などの財務データを用いない点も特徴だ。代わりに口座の入出金データやSaaSの利用データを基にAIが信用力を分析する。利用企業には銀行口座の登録を必須化し、SaaSデータの紐付け等については任意としている。
現時点で提携するSaaS事業者は、クラウドファンディングサイトを運営するMakuake(マクアケ)や、在庫管理システムを提供するZAICOなど20社。SaaSのデータと連携することで借り入れ条件が改善される可能性があるという。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら