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東京きらぼしは「仕組み金融」にどう向き合うか 渡邊社長が重視するアクセルとブレーキ

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東京きらぼしフィナンシャルグループ 社長 渡邊壽信氏
渡邊壽信(わたなべ・ひさのぶ)/東京きらぼしフィナンシャルグループ 社長。1962 年生まれ。1985年東京都民銀行(現きらぼし銀行)入行。2018年から現職(撮影:尾形文繁)

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「金利ある時代」の到来は銀行業界にどのような影響を及ぼしているのか。本特集では、各行のデジタル戦略や、利上げがもたらす意外な影響などを深掘りしつつ、独自のランキングも交えて、銀行業界の最新動向を紹介。本記事では、東京きらぼしフィナンシャルグループ(FG)社長兼きらぼし銀行頭取の渡邊壽信氏へのインタビューの拡大版を掲載する。
東京に地盤を置く東京きらぼしFGは、異色の地方銀行だ。メガバンクが主な担い手である、企業買収や不動産投資などで活用されるストラクチャードファイナンス(ストファイ)市場で存在感を示すほか、2022年にはネット専業の「UI銀行」も立ち上げた。渡邊社長が描く独自戦略とは?

メイン先を増やしたい

――ストファイはメガバンクや大手地方銀行が主な担い手です。なぜきらぼしが取り組んでいるのでしょうか。

当社は東京に拠点を構えるが、(2018年の3行合併当初は)メインバンクを務める企業が少なかった。そのうえ、旧行はみな本業赤字。そこでメイン先を増やそうと、ストファイに取り組んだ。

とくにLBOローン(買収対象企業の資産や将来キャッシュフローを担保にした融資)は、投資ファンドが買収した企業を出口戦略で売却した後も、資金を提供していた関係性からその企業の有望な取引銀行になれる。そうした企業のメインバンクを引き継いだり、メザニンローンや投資子会社を通じたエクイティーを拠出したりして、実績を積み上げてきた。

(地方銀行の相次ぐ参入については)ストファイの裾野が広がるため、プレーヤーが増えることは歓迎だ。当社が案件を組成し、エコシステムを作りたい。事業承継はこれからが本番。創業者が持つ株式の処分に悩む中小企業に、LBOローンを提供する需要が出てくるだろう。

――リスクの高いストファイには、金融庁も目を光らせています。

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