
土砂降りのときにこそ傘を貸せ
――金融機関に対して、どのように「モニタリング」を行いますか。
7月に総合政策局長を拝任した際、金融庁・財務局の職員や大手行のトップにこう宣言した。「世界で最も信頼される金融当局になる。母国発の金融危機を起こさない、 世界で最も強力なモニタリング当局を目指す」と。海外の規制当局からも、金融庁がモニタリングしているのなら間違いないと信頼されることが重要だ。
金融庁のモニタリングは、監督局と総合政策局が一体で行っている。監督局は各金融機関のビジネスモデル全体を把握し、われわれ総合政策局はガバナンス(企業統治)や内部監査、信用・市場・流動性・サイバーセキュリティーのリスク管理、金融犯罪対策などを検証する、縦と横の関係だ。
銀行は「雨が降れば傘を取り上げる」と言われるが、土砂降りのときこそ傘を差し出す存在になるべきだ。そのために、日頃から財務の健全性と業務の適切性を確保しなければいけない。経営陣主導のもと、行内に健全なリスクカルチャーを醸成し、強固なリスク管理体制や内部監査体制を構築する必要がある。
――国内の金利が上昇しています。モニタリング方針に変化は?
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