政策株の残高を見かけ上削減するのは、投資家を欺く行為だ。
「金利ある時代」の到来は銀行業界にどのような影響を及ぼしているのか。本特集では、各行のデジタル戦略や、利上げがもたらす意外な影響などを深掘りしつつ、独自のランキングも交えて、銀行業界の最新動向を紹介する。
取引先との関係維持や、買収防衛といった目的で企業が保有している「政策保有株(政策株)」。資産の有効活用を妨げるほか、コーポレートガバナンスの形骸化を招くなどとして海外の投資家のみならず、最近では金融庁も問題視している。
とはいえ、政策株を売却すれば取引先の心証を害しかねない。そこで増えているのが、政策株を保有したまま残高を縮減する「政策株ウォッシュ」というもの。「純投資目的以外」として保有している政策株を「純投資目的」に振り替え、見かけ上の残高を減らすというものだ。
銀行も手を染める
実は銀行も、こうした政策株ウォッシュに手を染めている。東洋経済は2023年度に提出された有価証券報告書を分析。直近決算期に政策株を純投資目的に振り替えた銀行を洗い出した。その結果が下の表だ。
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