――なぜ今、政策株に注目するのでしょうか。
政策株が抱える課題はかねて指摘されてきた。企業の間でも政策株に対する問題意識が共有され、「岩盤」と呼ばれるような銘柄も含めて、持ち合いの解消が進んできたことは確かだ。
政策株の削減に真面目に取り組む企業がいる一方、「(政策株を大量に保有している事実は)対外的に見栄えがよくない」という理由で、有報上の区分を純投資目的に振り替えて、記載を免れようとする企業があると耳にした。不心得者が得をして、正直に開示する者が損をするような事態にならないよう、実態把握を進めている。
「看過できない問題」
――金融庁が「政策株ウォッシュ」への問題意識を抱いたのは、いつ頃でしょうか。
2023年の夏、私が開示行政の担当になった直後に、地銀の間でそうした動きがあるという話を聞いた。その後、内外の機関投資家から同様の指摘を受ける中で、秋口には(政策株ウォッシュが)日本のマーケットやコーポレートガバナンス改革に対する信頼を損ねかねない、看過できない課題だ、という問題意識を持つに至った。
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