
議決権行使助言会社が政策株の保有割合が高い企業のトップ選任議案に反対推奨を出すことで、賛成比率を下げる企業が増えている(撮影:今井康一)
もはや初夏の「風物詩」と呼んでも差し支えないだろう。
「ISS社レポートに対する当社の見解について」。毎年5月下旬から6月にかけて、こんな表題のプレスリリースが飛び交う。今年だけでも、みずほフィナンシャルグループやりそなホールディングス(HD)、三井住友トラストHD、大林組、阪和興業、住友大阪セメントと、名だたる企業が同様のプレスリリースを出した。
ISSは、アメリカの議決権行使助言会社。上場企業の株主総会に提出された議案を分析し、機関投資家向けに賛成・反対を推奨する。同じく助言会社の「グラスルイス」と双璧を成し、世界の議決権行使助言業界を二分する。
前述した企業には、いずれもISSが経営トップの人事案に反対を推奨するレポートが出している。理由は、政策保有株(政策株)を持ちすぎていること。トップの「クビ」を突きつけられた各社は、冒頭のプレスリリースを通じて反論や弁解を行う。政策株を過剰に保有する企業にとって、議決権行使助言会社の賛否推奨はもはや無視できなくなっている。
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