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「金利ある時代」を素直に喜べない銀行の現実 17年ぶりの金利上昇が「負け組銀行」を生む

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銀行が待ちわびた念願の利上げ。だが17年ぶりの金利上昇が「負け組」の銀行を生み出すことに。

新聞の『利上げ』の見出し
(写真:Ystudio / PIXTA)

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「金利ある時代」の到来は銀行業界にどのような影響を及ぼしているのか。本特集では、各行のデジタル戦略や、利上げがもたらす意外な影響などを深掘りしつつ、独自のランキングも交えて、銀行業界の最新動向を紹介する。

全国の地方自治体に金融機関が群がっている。自治体が年度予算の執行や特定の目的のために保有している「公金」の預け入れ先を選ぶ入札だ。マイナス金利時代は入札の参加辞退が珍しくなかったが、「金利ある時代」が再び訪れた今、公金の入札は大量の預金を効率よく獲得できる商機へと変化した。

人口922万人を抱える神奈川県。ここ数年は1.5兆円程度の公金を毎年入札にかけてきた。だが、マイナス金利時代の2019年度は参加ゼロが8回、2020年度は6回に上り、2022年度には運用希望額に対する応札実績がわずか28.6%にとどまった。

ところが今年度は、8月までに実施された11回の入札で参加ゼロはなし。運用達成率も100%で、2022年度まで1〜2だった平均応札金融機関数は9.1へと急増した。「マイナス金利時代は応札を控えていたが、今は仕切りレート(採算を計る銀行内の設定金利)をわずかに上回る水準でも取りに行く」(地方銀行幹部)。

収益改善へ追い風

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