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自己資本額に対する円債評価損試算ランキング 国債・地方債の残存期間の"長さ"が痛手に

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国債などの円債は固定金利のため、保有している債券からの利息収入が増えることはない。

1万円札の束
(写真:みやすん / PIXTA)

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「金利ある時代」の到来は銀行業界にどのような影響を及ぼしているのか。本特集では、各行のデジタル戦略や、利上げがもたらす意外な影響などを深掘りしつつ、独自のランキングも交えて、銀行業界の最新動向を紹介する。

利上げ影響をそのまま享受できる貸出金や預け金と異なり、国債や地方債などの円債の多くは固定金利のため、保有している債券からの利息収入が増えることはない。

また、金利が上がれば債券価格は下がるため、利上げ局面ではむしろ債券価格の下落に伴って評価損が膨らむことになる。近年、海外金利が上昇した局面では、多くの銀行で外国債の評価損が膨らみ、巨額の売却損を計上する銀行もあった。

残存期間が長いほど痛手でに

満期保有が前提ならば実際の損失として計上されることはない。ただ、利上げに伴って貸し出しや、さらに利回りのいい債券などに振り向けておけば得られたであろう収益について「機会損失」が発生することになる。償還までの期間(残存期間)が長いほど、その程度も大きくなってしまう。

そういう意味で、利上げ局面において各行は満期保有目的ではない円債について、低い利回りのまま保有し続けるか、それとも売却損を計上しつつ利回りの高い債券に切り替えるかの選択を迫られる。現状、短期での運用が多い銀行ほど機動的なポートフォリオ組み替えが可能だ。

そこでここでは各行が公表している保有円債(満期保有目的含む)の残高と残存期間を基に、1%の利上げでどれだけの評価損が発生するかを算出したうえで、自己資本額に対する比率が大きい順にランキング化した。なお、金利ヘッジなどについては考慮していない。

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