木枯らしと相前後して、「解散風」が突風になって吹いてきた。
14日の党首討論で、野田首相は、特例公債法案と「0増5減」の衆院定数改正法案通過を条件に、16日に解散を発表すると述べた。総選挙告示は12月2日、投票日は12月16日となる模様だ。都知事選と投票日がぶつかることになる。
競馬にたとえるなら、これは地方競馬の年末ビッグレース、東京大賞典の日に、JRAのジャパンカップをぶつけるような(地方競馬に意地悪な)特殊な日程だ。推測するに、「さっさと解散しないと、消費税増税に関する三党合意を反故にするぞ!」と、野党側が野田氏にとっての急所を突いたのかも知れない。
また、いわゆる「第三極」(日本維新の会、みんなの党、太陽の党、などの勢力)の選挙準備が整わぬうちに総選挙をやりたい、また、都知事選で猪瀬直樹候補を支持する第三極が官僚制度批判を旗印に大同団結して勝利して「勢い」がついた状態で総選挙を迎えたくない、といった政治的判断があったものだろう。
野田首相は種牡馬は無理だが、誘導馬にはなれる!?
民主党内の分裂を招きかねないTPPを敢えて選挙の争点として強調するとの野田首相の意向も、TPPが、太陽の党の面々と、日本維新の会・みんなの党の主張が対立するポイントだからだろう。野田氏が競争馬なら、血統や厩舎事情を考えると、「消費税杯」のタイトルを取ったことで、お役ご免なのだろう。
今後、政界のGⅠレース(首相を目指すレース)に出走することはないだろし、種牡馬(裏のキングメーカー)として好成績を残せそうにも思えないが、「消費税」と「TPP」で競走馬生命を縮めた功労馬だから、日本の政治の影の二大オーナーである財務省と米国とが、そこそこの牧場で養ってくれるノダろう。誘導馬くらいの余生はあるかも知れない。
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