為替レートが1ドル80円をこえてきた。
ここまでのところ、前回の金融政策決定会合で決めた追加緩和措置、特に、銀行貸し出しを増やすための措置がもたらす心理的影響が大きいようだ。今後、効果が徐々に現実のものとなる可能性があるし、先般のGDPの数字(7−9月期、実質年率−3.5%)などを見ると、更に追加緩和を決める可能性もある。
マーケットは「変化」を見ることが重要なゲームだ。日銀が、「ドケチ」から「ケチ」に変身するなら、絶対評価は「ケチ」なのだとしても、マーケット的には「買い」となる。
自民党安倍総裁の言動と為替に注目
ポイントは、次に助手席に座ってあれこれわめく客になるはずの自民党(特に安倍晋三新総裁)がどのような態度を示すかだ。次期日銀総裁人事をどうするか(予想は“ムトウザイムオー”に◎だが)、さらに、日銀法改正まで踏み込もうとするのか。どうやら金融緩和推進論者であるらしい安倍氏が強硬な態度を取るなら、日銀は、組織防衛のために次々と緩和策を打ち出すだろうし(「態度」だけでも効くはずだ。もちろん法改正が望ましいが)、これは、円安へのトレンドを後押しする可能性がある。
円安トレンドがはっきりするなら、株価にとってプラスであることは間違いない。1ドル85円をこえて円安が進むようなら、日経平均の1万円回復も十分視野に入ってくる。マーケット的に、今回の政局の最大の注目点は、ここだろう。当面、安倍氏の言動と為替レートに注目したい。
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