石油化学(石化)業界で注目を浴びていた、西日本でのエチレン設備再編が本格的に動き出した。
三菱ケミカルグループ(G)、旭化成、三井化学は1月27日、2030年度をメドに水島コンビナート(岡山)で三菱ケミGと旭化成の子会社が運営するエチレン設備を停止し、大阪にある三井化学の設備に生産を集約、3社の共同事業にすると発表した。
エチレンは石化基礎製品の代表で、プラスチックや樹脂、ゴムなどさまざまな化学品の原料となる。原油由来のナフサ(粗製ガソリン)を熱分解して、エチレンなどを造るナフサクラッカーは石化コンビナートの最上流に位置する。設備停止は川下に連なる各種の誘導品(中間原料)の製造にも大きな影響を及ぼす。
24年以降、国内でエチレン設備の停止決定が相次いでいる(上図)。2年以内に千葉で2基、神奈川で1基が停止する。コンビナートはパイプラインなどで川上から川下まで製造設備がつながっているため、近隣設備への生産集約によって配送コストを抑えつつ、供給責任を果たす。他社設備との再編では残す設備を共同運営化するのが基本だ。
このため、基本的にエチレン再編は近隣同士で行われてきた。今回停止が決まった水島の設備も16年に旭化成側を止め、三菱ケミG側に集約したものだ。西日本は国内初となる大阪と岡山という離れた地域でのエチレン再編計画だった。この再編計画が発表されたのは24年5月、約20カ月かけて停止設備の決定までこぎ着けた。
稼働率は41カ月連続で不況水準
業界がエチレン停止に動くのはそれだけ事業環境が厳しいからだ。
石油化学工業協会(石化協)が発表した25年12月の国内エチレン設備の稼働率は77.1%、好不況の目安となる90%を41カ月連続で割り込んだ。90%どころか、25年は80%に達したのさえわずか2カ月だった。
最大の要因は中国だ。経済成長が鈍化する中でも生産能力の拡大が続いている。余剰品が内外市場にあふれ出て市況は低迷。一方で、日本国内の需要は縮小傾向にある。




















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