日本におけるプライベートエクイティー(PE)ファンドの先駆けの1つである、米系投資ファンドのカーライル。業界再編のうねりが大きくなる中で、ファンドとしてどのような役割を担っていくのか。そして注目する業界は何か。カーライル・ジャパンの山田和広・会長兼日本共同代表に聞いた。
経営者は再編するインセンティブが小さい
――国内には、再編の必要性が叫ばれているにもかかわらず、再編が進んでいない業界があります。
いくつか要因がある。企業が統合されると、重複する部分では一定程度はリストラが入ることもある。それを遂行していくには、経営者に相当のリーダーシップが必要だ。
しかし、日本の社長の大半は内部昇格で、任期は大体4年とか6年で、その期間をつつがなく過ごすことが大切になっている。会長や相談役の目もあるし、場合によっては子会社に昔の上司がいたりもする。だから、なかなかやりづらい。そうした人的な要素が大きい。
それから、日本ではこれまで(企業にとって必要な資金である)リスクマネーを、資本市場ではなく、銀行が主に提供してきた。銀行の(企業への融資などを通じて得られる見込みの)期待収益率は、資本市場(で投資家が期待する収益率)より当然低い。
結果として、事業で投資家を満足させるリターン、つまり営業利益率やROE(自己資本利益率)が諸外国と比べて低い。つまり、大きな改革をしなくても現状維持でとりあえず生き残れるので、経営者が人的なしがらみを断ち切ってまで、業界再編をやるインセンティブが小さい。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら