有料会員限定

「時価総額100億円」でも買われぬグロース市場の現実/ベインキャピタルがレジルを買収した真意

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
東京証券取引所
グロース市場の上場維持基準の改正により、上場から5年経過後に100億円以上の時価総額が求められる(撮影:梅谷秀司)

特集「東証グロース 大淘汰」の他の記事を読む

東京証券取引所グロース市場にとって、2025年は激動の1年となった。

きっかけは4月に東証が公表した上場維持基準の改正案だ。現行制度では上場から10年経過後に時価総額が40億円以上なければ上場廃止となるが、改正後は5年経過後に100億円以上が求められる。東洋経済が行った試算では、グロース上場企業の7割以上が基準に抵触していた(詳細はこちら)。

この影響もあってか、25年の上場社数は41社と22年4月のグロース市場発足以来、最少に落ち込んだ。上場維持のハードルが高まったことは上場の意義やコストを再考する機会となり、上場廃止は19社に上った。

2025年に上場廃止となった東証グロース企業

東証が警鐘を鳴らした小粒企業だけでなく、時価総額が100億円を超えていても、MBO(経営陣による買収)やM&Aによる非公開化を選んだ企業もある。その一例が、25年6月に上場廃止となったカオナビだ。

投資ファンドのカーライルに買収された同社は、上場廃止の一因として「中長期的な視点に立った積極的な成長施策よりも短期的な収益性確保が選好」される近年の株式市場を挙げた。非公開化発表前の時価総額は約200億円だった。

グロース市場の上場社数は26年も減少基調をたどりそうだ。上場廃止基準に抵触しかねない小規模企業はもちろん、同市場の中では大型にあたる時価総額数百億円規模の企業も例外ではない。

次ページ中小型株が抱える悩み
関連記事
トピックボードAD