資生堂の日用品部門が分離し、シャンプー「TSUBAKI」や男性用化粧品「uno」などの有名ブランドを擁するファイントゥデイホールディングス(HD)が11月5日に予定していた東京証券取引所のスタンダード市場への新規上場を延期した。
2024年12月にも東証プライム市場に新規上場する予定だったが、今回同様に上場直前で見送っており、上場延期はこれで2度目となる。日経平均株価が4万9000円台と活況を呈する中での異例の判断だった。
会社側は「株式市場の動向などを総合的に勘案した」と説明するが、市場関係者の見方は冷ややかだ。親会社である欧州系の大手投資ファンド、CVCキャピタル・パートナーズ(以下、CVC)の強気な価格設定が、市場の現実と乖離していたのだろう——。複数の関係者が、そう口を揃える。
ファイントゥデイは21年、資生堂が日用品部門をCVCに1600億円で売却したことに伴い設立された。資生堂が中・高価格帯のスキンケア戦略に舵を切る一方、ファイントゥデイは工場などの生産設備を引き継ぎ、経営中枢を一から構築。24年12月末の従業員数は設立当初の5倍以上となる約2300人まで増えている。
24年2月にはファイントゥデイ初となる自社ブランド「+tmr(プラストゥモロー)」を発売。24年度の連結売上高は1073億円、営業利益は147億円と、業績自体は堅調に推移している。
高すぎた値札とCVCの焦り
それにもかかわらず、なぜ2度も土壇場での上場見送りを演じることになったのか。
最大の理由は、CVCが設定したバリュエーション(企業価値評価)に対し、投資家が「NO」を突きつけたことだと推測される。端的に言えば、売り出し価格が高すぎて、買い手がつかなかったのではないか、という見方が支配的なのだ。
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