レアアースで揺さぶる中国に対抗できるのか? 日本が握る"代替困難"な製品の正体

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高市早苗首相(写真:ブルームバーグ)

高市早苗首相の発言に端を発した日中関係の悪化は、ついに中国が持つ切り札とも言える「レアアース(希土類)」の対日輸出の規制にまで発展しつつある。

中国は2026年1月、軍事用途に供され得るデュアルユース(軍民両用)品について、日本向け輸出を禁じる措置を発表した。中国側は「対象は防衛関連に限る」と説明する一方、実務面では、レアアースや希土類磁石を含む品目で、対日向けの輸出許可審査が滞る動きも報じられている。

こうした問題はアメリカ向けではすでに前例がある。中国は25年4月、サマリウムやジスプロシウムなど7種のレアアースを輸出管理の対象に追加し、輸出には許可が必要になった。許可手続きの遅れは調達不安を招き、フォードが希土類磁石不足を理由にSUV「Explorer」の生産を一時停止したと報じられている。

さらに中国は2025年10月、レアアース関連の輸出管理を拡大する追加措置(第2弾)を公表し、最終用途・最終需要家の確認強化や、海外企業にも許可申請が及び得る“域外的”な運用が論点になった。しかし中国商務部と税関総署は同年11月、この追加措置の適用を2026年11月10日まで停止すると発表している。

もともとアメリカが世界最大のレアアースの供給国だったのが、長期戦略を立てて、割安で供給することで、西側諸国のレアアース供給企業が採算割れする戦略を進めて、独占的な地位を占めた。いわば、中国の革新的戦略だったわけだ。

「日本版レアアース」の技術とはどんなものか

しかしその一方で、実は日本にも「日本版レアアース」とも呼ばれる工業製品や技術があることをご存知だろうか。レアアースは他に変わるものがないのが強みで、いわゆる代替性がないのが大きな特徴だ。実は日本にも数多くの代替性のない製品や技術がある。

他に変わるものがない唯一無二の日本製品は、様々な分野に及んでいる。いま中国がトップの座を目指して推進している「AI強国」への道についても、AI開発に不可欠な半導体は、その製造工程に日本企業は大きく関わっている。日本の技術がなければ、半導体の製造は困難だ。エヌビディアも、その例外ではない。

問題は、こうした日本特有の技術や製品を、外交上の戦略物資として中国のように、輸出規制などできるのかどうかだが、実際に、日本ではすでに輸出規制などを実施した実績がある。安倍政権時代、日本は韓国に対してスマートフォンなどの画面に使う「フッ化ポリイミド」や半導体製造で使う「EUVレジスト」「フッ化水素」の3品目を規制したことがある。

はたして中国に対しても、同様の輸出規制をするのか。日本版レアアースの技術とはどんなものなのか、その効果はどの程度期待できるのか。その可能性について考えてみたい。

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