WBC「侍ジャパン」がまたも決勝を逃した理由

落とし穴は雨に濡れた天然芝だけでなかった

ワールド・ベースボール・クラシック準決勝で敗退し、天を仰ぐ内川聖一(左)ら日本代表選手(写真:AP/アフロ)

無傷の6連勝で第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝ラウンドに進んだ侍ジャパン。しかし米国時間3月21日(日本時間同22日)、米カリフォルニア州ロサンゼルスのドジャースタジアムで行われた準決勝で米国に1-2で敗れ、2大会連続のベスト4に終わった。

悔しい敗戦。2失点にはいずれも守りのミスが絡んだ。

0-0で迎えた4回1死。再三の超ファインプレーでチームを救ってきた二塁手、菊池涼介(広島)がイエリチ(マーリンズ)の正面のゴロをグラブの土手に当てて後ろにそらす。降り続く雨で水を含んだインフィールドの天然芝を滑ったゴロが目の粗い土の部分で微妙にイレギュラー。「NINJA」とたたえられる名手のグラブを弾いたのである。打球はセンター前まで転がり、イエリチは2塁に進む。2死後、マカチェン(パイレーツ)の左前打で先制のホームインを許した。

6回にはその菊池がライトへ同点ホームランを放ち、ミスを帳消しにした。だが……。8回1死2、3塁の守り。今度はムードメーカーの3塁手、松田宣浩(ソフトバンク)がA・ジョーンズ(オリオールズ)のゴロをファンブルしてしまう。普通に捕れば本塁に突っ込んだ3塁走者をアウトにできるタイミングだったが、素早く拾い上げても打者走者を1塁でアウトにするのがやっと。クロフォード(ジャイアンツ)の生還を許し、これが決勝点になった。

やはり米投手の「動くボール」に苦しんだ日本

「守備のミスも出たけど、それは責められない。1点が遠かった。あれだけの選手たちがなかなか芯でとらえられない。メジャークラスの動くボールの対処は難しかった」

小久保裕紀監督は、打線が米国7投手の「動くボール」に苦しみ、4安打1点に封じられたことを敗因に挙げた。確かにホームは遠かった。初回2死3塁、8回2死1、2塁で打席に入った筒香嘉智(DeNA)のとらえたかに見えた打球はレフトとライトへの飛球。湿気を吸ったボールはいずれも定位置よりやや後ろで外野手のグラブに収まった。

しかし、0点に抑えられたわけじゃない。先発の菅野智之(巨人)は1番から9番までメジャーリーガーが並ぶ打線を6回3安打に抑える好投。大会ベストナインに選ばれた千賀滉大(ソフトバンク)は7回から登板し、2イニングで5三振を奪った。2次ラウンドまでのようにしっかり守っていれば1-0という結果もあった。

上手の手から漏れた水……。悪い条件が重なった。年間通して雨が少ないロサンゼルス。3月は雨季にあたるが、それでも月間降水量は50ミリメートルほどで東京の半分程度しかない。珍しい雨が意地悪く落ちてきたのである。

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